当店のギャラリーとしての初となる個展
ロースターギャラリー・スモールマウンテンは、2019年8月10日の「山の日」のオープンから、おかげさまで1周年を迎えることができます。ギャラリーとしての活動はもう少し前から行いたかったのですが、新型コロナウイルスなどの影響もあり、なかなか実施ができずにおりました。
ちょうど当店の1周年を迎える2020年8月10日(月)の「山の日」より1週間、小山市在住の新鋭の陶芸作家・田川舞(Tagawa Mai)さんの個展『にび色とうつわ展』を開催することをご報告させていただきます。当店のギャラリーとしては初となる個展になります。
若き陶芸作家・田川舞さんとの出会い
陶芸作家・田川舞さんとの出会いは、今年の5月に店主が店頭にいたとき。ご主人と歩いていた際に“入りにくいと評判の”当店に足を踏み入れていただき、話がはずみ、ご本人が陶芸作家として活動中であることを教えていただきました。
その時にインスタグラムで拝見した田川さんの作品は、店主としては衝撃を受ける美しさと繊細さがあり、「ぜひここで一緒に何かをやりましょう!」とお話をしたのがはじまりです。
田川舞さんの経歴、作品について
田川舞さんは1995年生まれの現在25歳。多摩美術大学の工芸学科陶芸専攻を2018年に卒業し、すぐに陶芸作家としての道を歩み始めました。もともとは横浜で生まれ育った田川さんが栃木県小山市に移住してきたのは今年の4月。ご主人の転勤に伴い、知り合いもいない小山市で作陶を続ける選択をし、現在も市内の自宅兼アトリエで創作活動を続けています。(窯は横浜のものを使用)
田川さんの作品の特徴は、既存の陶芸のどこにも属さない独創性がありながら、誰もが引き寄せられるような繊細さと美しい色にあります。田川さん自身、「誰かに師事することも、誰かを模倣したりすることなく、自分の中の自然な流れで作品を作ることを目標にしてきた」と話すように、「なに焼き」とも「◯◯っぽい」とも括ることのできないオリジナリティが最大の魅力です。
写真からも十分繊細さは伝わると思いますが、実際に触っていただくとガラスの器のような繊細さがあります。
「私自身がこういうシャープな雰囲気のものが好きだから作っていますが、あまりこういう縁(ふち)まで繊細な陶器というのはあまり売っているのを見ないですよね。『壊れそう』と敬遠されがちなのですが、考えてみればワイングラスなどはかなり繊細なものでも家庭で使われていますし、私としてはそういう風に大切に使ってくださる方に向けて作っているところがあります」
田川さんの作品は、もちろんどれも日常使いを意識して作られたもの。今回の展示・販売会では、コーヒーカップ、パスタ皿、お菓子の盛り付けや取り皿としても使えるリム皿、フリーカップやお茶碗、お猪口などが並びます。またそうした器の作りとはまた違った魅力のある花器も一部登場いたします。
田川舞さんの器の製法
田川さんの作陶は、その仕上がり同様、とてもシンプルです。土は信楽の淡い緋色が出やすい土を使っており、器の裏側にはその優しい表情を見ることができます。長石と灰などを独自に配合した釉薬から、ブルーを基調にした美しい色合いを生み出しています。
紺色、ターコイズブルー、薄いスカイブルー、白の色合いはすべて田川さん自身が好きな色味。そして今回は、当店からのリクエストをきっかけにしてこの春に生まれたグレーの陶器も展示販売されます。
繊細な作りのため、窯の温度に色味も影響をされやすいそうですが、ほぼ天性の感覚で色出しは狙い通りのものが出せていると田川さんは話します。
器とは異なる表情を持つ花器は、竹べらで細かなスリットが入っており、その表情は「動物の毛並みのよう」、「布のよう」と、人によってさまざまな感想がある、存在感のあるものになっています。
今回はその器も花器も、その表情、手触りを実際に見て、触れていただける数少ない機会となります。
販売する作品について
今回の当ギャラリーの展示では、以下の器が数種の色で登場します。
作品によって価格は前後しますが、参考金額も記しますのでご参考ください。(それぞれ税別表記です)
おちょこ 2000円
マグカップ 3500円
大きいリム皿 4000円
パスタ皿 4000円
花器 6000円以上 〜
展示品はそのまま販売も可能になりますので、当日お持ち帰りいただくことも可能です。
お支払いは現金、クレジットカード、PayPayのご利用も可能となっております。
会期・作家の在廊について
個展タイトル : 『田川 舞 にび色とうつわ展』
開催期間 : 2020年8月10日(月・祝「山の日」)〜8月16日(日)
期間中営業時間 : 11:00〜18:00(作家在廊時間)
※ 店主は不在の場合もございます。
スモールマウンテン1周年&個展オープニングレセプション
8月9日(日) 16:00〜20:00まで、本人を囲んでのオープニングレセプションを開催いたします。軽食や飲み物をご用意いたしますので、どなたもご自由にお越しください。レセプション当日も購入は可能となっております。※新型コロナウイルス感染対策のため、マスク、消毒、3密を避ける運営にご協力をお願いいたします。
田川 舞
1995年生まれ 神奈川県横浜市出身。 2019年3月 多摩美術大学 工芸学科 陶芸専攻 卒業 2020年 現在 栃木県小山市に拠点を移し作陶 展覧会 2019年3月 多摩美術大学工芸学科 卒業制作展「feu」 (spiral : 表参道) 個展 2020年3月 「花器とうつわ展」(元町gallery: 横浜)
Comments