2020年8月の当店のオープン1周年記念で個展『にび色とうつわ展』を開催していただいた、小山市在住の陶芸作家・田川舞（たがわ まい）さん。
田川舞さんインスタグラム
おかげさまで個展にも多数の方にお越しいただき、多くの方に作品もご購入いただきました。その後、田川さんはより注目の存在となり、栃木県内だけでなく東京や大阪などにおいても作品が展示されるようになるなど、活躍の場を広げられています。
当店のキーカラーである「グレー」で作陶をお願いしたのは、その個展の開催をご相談したときのことでした。ご本人も本格的には初めてのトライとなったグレーの陶器は、深みのある色合いと独特の繊細さがマッチしたものとなり、個展でも大変好評でした。
以降、田川さんはグレーの作品を数多く作るようになり、グレーでオーダーが来ることも増えているそう。田川さんの魅力を知った方にも、ご本人にとってもお気に入りのカラーとして定着したことは、当店としてもとても嬉しく感じています。
そんな田川さんに、今回は初めて当店が形やコンセプトまで田川さんに作っていただくことを前提に考えた、新しいコーヒーマグをコラボレーションでお願いしました。
まさに「スモールマウンテン」なマグカップ
「アロママグ」という名称にしたこのマグカップは、文字通りコーヒーのアロマを味わっていただくことを想定してお願いしたものになります。
普通のアメリカンなマグカップは、上から下までストンとフラットな形状をしているため、コーヒーが冷めやすく、コーヒー特有の芳香が逃げやすいのではないかと常々思っていました。
そこで田川さんにお願いしたのは、「山」の形のマグカップ。あくまで店主の個人的な想像を踏まえてこんなラフ絵を見せながらご相談しました。
ここからサンプルを作っていただくこと２回。店主の設計図通りに作ると、筋トレ並みの重さになってしまうことが判明し、ファーストサンプルはボツに。
そして２回目のサンプルは形の均一さや色味がご本人も納得が行かないという理由からこちらもあえなくボツに。
そしてやっと田川さんも店主も納得の「アロママグ」が完成しました。
この山の形、途中で気づいたのですが、まさに「スモールマウンテン」。どっしりとした形状なので安定感も良く、底の方は厚く、飲み口に向かうにしたがって薄く作っていただいているので、コーヒーをしばらく置いていても冷めない「想定」でした。
ただ、実際に通常のマグとこのマグで飲み比べをしてみたのですが、冷め方にそこまでの違いはありませんでした（笑）。ただ、コーヒーの芳香はこのアロママグの方が味わっていただけるのではないかと感じています。（店主個人の感想です）
飲み口を薄くしていただいたことは正解でした。よくあるアメリカンな磁器マグカップでコーヒーを飲んでいると、口の端の方からコーヒーがこぼれてきてしまったという経験のある方は多いのではないでしょうか？ 店主はあの磁器特有のツルツルとして分厚い飲み口から、口やマグに溢れるコーヒーがどうにも嫌でした。
そこで飲み口を薄くして、コーヒーを飲む時にもこぼれにくくなっているのが、結果的に見た目の美しさにも繋がっているので、機能美としても成立したものになっています。
繊細さと深みを感じさせる陶器自体のグレーの色味、そしてあえて素焼きに近い状態を残したカップの下部と底面のコントラストは、田川舞作品の真骨頂ではないかと思います。
取っ手の部分の角度や強度にもこだわっていただきました。コーヒーを入れるとある程度の重さになるため、安定感が高くなるように平たい取っ手に。わりと重量のあるカップですが、実際に持っていただくと安定感があるのはわかっていただけると思います。
すべてハンドメイドのため、実物には多少の個体差はあります。また、釉薬の垂れ具合が一点一点異なるのも特徴になりますので、ぜひお手に取ってお選びください。
こちらの「アロママグ」は、まず初回に20個を制作いただきました。2021年4月25日（日）より販売を開始し、売り切れたら再びオーダーをかけますが、現在田川さんが数々の作品展への出品やギャラリーへの作品展示のため、次回の納品はまだ目処が立っておりません。場合によっては予約制、という形になるかもしれません。
念の為、混乱を避けるため、当座はオンラインでの販売も行わない予定ですので、気になる方はぜひ店頭までお越しください。オンラインでも販売するようになったら、改めてお知らせします。
前回、栃木県那須烏山市在住の陶芸作家・南雲英則さんと「オリジナルマグ」と「フリーカップ」を作って以来の当店のオリジナルマグ。南雲さんの作品同様、当店では継続して販売をしていく予定にしております。
スモールマウンテン × 田川舞 「オリジナル アロママグ」
￥3,500＋TAX
サイズ : 高さ8cm / 飲み口直径 6.5〜7cm / 底面直径9cm
容量 : 210ml （当店ブレンド豆１杯分のレシピで抽出される容量をベースにしています）
重さ : 約350g